車載機器の多品種少量生産ラインにおいて、搭載するマイコンのパッケージ形状が同じ(例:QFPやSOP)であっても、品種によって書き込み制御信号のピン配置や電気的仕様が異なるケースが多発していました。そのため、デバイスごとに高価な専用変換アダプタを購入・管理する必要があり、設備投資の増大に加え、頻繁なアダプタ交換作業が生産タクトを悪化させる要因となっていました。
「治具の共通化によるムダ取り」を掲げ、回路設計技術を活かしたスイッチ付きカスタムアダプタを開発。物理的な交換作業を排除し、運用コストと作業負荷の同時削減を提案しました。
● スイッチ一つで制御ラインを変更
アダプタ基板上に物理的な切り替えスイッチを実装し、書き込み対象デバイスに合わせて制御線や電圧ラインの結線を変更できる機構を採用。これにより、電気的仕様が異なる複数のマイコンを1つのアダプタで書き込み可能にしました。
● 段取り替えの迅速化と在庫削減
品種切り替え時の作業が「アダプタの脱着・交換」から「手元のスイッチ操作」のみに簡素化。ダウンタイムを大幅に短縮するとともに、管理・購入すべきアダプタの種類を削減し、資産管理の負担を軽減しました。
● 現場ニーズに応えるカスタム設計力
単なる結線変換に留まらず、信号品質(シグナルインテグリティ)を維持したまま切り替え回路を実装。メーカー標準品では対応できない「現場の使い勝手」を具現化する、柔軟な回路設計技術を提供しました。
治具購入コストを削減しつつ、段取り替え工数の大幅な短縮を実現。物理的な着脱回数が減ったことでプログラマ本体のコネクタ摩耗も抑制され、設備の長寿命化にも貢献しました。